アリスの会 20周年企画 四季の集い(2020年10月3日)

「アリスの会 20周年企画 四季の集い」報告

産業医科大学医学部の女性卒業生を支援する、アリスの会は、今年20周年の節目を迎えます。従来は、東京、大阪、北九州で、四季の集いを開催していました。本年は、新型コロナウイルス感染拡大の状況もあり、オンラインによる四季の集いを、10月3日(土)に開催しました。学生さん含め、30名以上の参加がありました。

第1部は「医療従事者の産業保健活動COVID -19 禍中の今考える事」として、吉川 徹先生(労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)・統括研究員)から、ご講演頂きました。前段としての、新型コロナ流行の渦中に考えた事から始まり、①医療労働と安全健康リスク、②勤務医の健康支援の取組から、③医療従事者のための産業保健活動のヒントと、現時点での見通しから、これからの医療活動や産業保健、働き方の変革への提言まで、幅広い知識と話題を、提供して頂きました。働き方の新しいスタイルや、感染制御と医療産業保健との更なる連携など、大変示唆に富む内容でした。当日の座長をお引き受け下さった、武藤恵美子先生(4回生)も、ありがとうございました。

第2部は「座談会:ジェンダーとキャリアについて」と題し、パネラーとして、臨床医:堺市立総合医療センター 血液内科副部長・産業医 松浦 愛 先生、開業医:特定医療法人茜会 メディカルケアタウン東大島 あかねクリニック 諸富夏子先生、産業医:東京ガスカスタマーサポート株式会社 総務・人材戦略部 長濱さつ絵先生、健診機関所属医師:君津健康センター 長尾 望先生、研究者:公益財団法人 大原記念労働科学研究所 佐野友美先生、の5名の先生方に、ご登壇頂きました。各パネラーから、これまでのキャリア等のご紹介があった後、全員参加企画として、小グループに分かれ意見交換する時間を設けました。「ガラスの天井、克服経験、女性や卒業生、学生ならではの選択等について 沢山しゃべりましょう!」という企画でした。

各パネラーの先生方からのキャリアを中心とした話題提供は、まさに産医大卒業生の、多彩な職種を象徴するような内容でした。仕事だけではなく、学生時代や現在の生活の話題もあって、学生の皆さんにも、興味深い内容だったと思います。

グループに分れての意見交換も、私のグループでは、男性であるが故の「がんばんなきゃ!」という意識や、生活・仕事の事情、負荷、夢を加味したキャリア形成の大切さ等、活発なディスカッションが有りました。大変印象深い内容・経験だと、感じました。

第2部ラストの、パネラーの先生方からのまとめでは、女性のライフサイクルでキャリアが途切れる事をプラス思考で捉える事や、その人なりのキャリアや無理の無い人生は楽しいといった等の、示唆に富む発言がありました。

医学部同窓会長の宮本先生からも、ご発言を頂きました。感謝します。

アリスの会・会長の長井先生からは、「アリスの会は、誰もがふっと立ち寄るような、あなたの話が聞けるよ、こんな専門家がいるよ、といった関係を構築してきた。大きな輪を作る事、繫がる仕組みを大切にして、今後も活動していきたい」との総括が、ありました。

運営上、不慣れな点もありましたが、「繫がる仕組み」を大切にした、アリスの会らしい、「大きな輪」となる集いとなりました。当日、特に産医大でウェブ運営にあたられたり、司会等を担当された、アリスの会理事の皆様、お疲れ様でした。

事務局でお世話になっている安村美子さん、いつも本当に、ありがとうございます。

 


ヘルスサポートセンター鹿児島 河村 裕(医学部10回生)