微生物学者が乳がんになった時(Ⅲ:がれきの上にこいのぼり その4)

Ⅲ:がれきの上にこいのぼり<2015年12月~2016年12月>その4

脊椎管狭窄症

そうしているうちに8月中頃から、なんとなく足の調子がおかしい、抗がん剤の副作用かと思っていたら、8月30日の夜、急に動けなくなって、トイレにもいけなくなりました。翌日は抗がん剤治療の予定でしたが、電話でキャンセルし、近医で対応してもらいなさいということで、かかりつけ医に相談しました。同時にテルミーの先生に家まで来ていただき、治療してもらい、翌日なんとか開業医にかかることができました。

怖いのは横紋筋融解症ということで血液検査のCPKが異常に高値かどうかで分かるということでしたが、血液検査のCPK、さらに肝機能のALT、ASTなどに異常はありませんでした。念のために、整形外科でMRIとCT、レントゲン、骨シンチを撮って、がんの骨転移はなく、典型的な退行性の脊椎管狭窄症ということでした。加齢による疾患を退行性というのですね。

抗がん剤が正常細胞も攻撃するから老化を促進している、これは抗がん剤の副作用だ、と言っても誰も耳を傾けない。それほど腰痛の方が多い!3000万人とか!あんたも年取ったね~言われた元教授も同じ病気で手術するかどうか悩んでいるとのことでした。抗がん剤開発がこんなに盛んなら、二足歩行の宿命ですと言うのなら、腰痛対策の研究もどうにかなりませんかね!がんよりもこの痛みの方が大変です!と叫びたかった。

鎮痛剤のロキソニンと胃薬のムコスタ錠、コルセット、ロキソニン入り湿布を貼って対応しましたが、なかなか痛みは取れません。時間がかかります。のちに鎮痛剤は胃のためにセレコックス錠、胃薬はガスロンN・OD錠に変わりました。いまだいぶ落ち着いてきました。運転しすぎですかね?教師という職業病という面もありますとも言われました。

マジ!冗談抜きに体調が良くないと病院にはいけません。布団から立ち上がれない、階段のわずかな段差に足を挙げられない、車体に足を入れられないなど、臀部から左足にかけて神経性の激痛が走る。背筋を伸ばすとだんだん痛くなるので、腰を曲げると痛みが軽減する。それでも車の運転はできる。これがヘルニアとは違う、脊椎管狭窄症の特徴だそうです。お年寄りが杖を突いて腰を曲げておられる意味が分かりました。いままでその姿をただ一幅の絵のように見ていたのですが、これからは荷物を持ってあげるなど、優しくしようと思いました。

それにつま先が20cmあがらないとつまずくそうなので、躓きやすくなるはずです。色々勉強になります。この激痛が神経に触るということなのかと、“神経に触るヒト”という言葉を安易に使いすぎていたと反省しました。

こんななか、東京、福島郡山に出張に行ったのですが、白髪の杖を突いた老人は、グローバル会員、プレミアム会員越えで、いの一番に飛行機に乗れました。いつも先に搭乗する金持ちを、指をくわえて、一生真っ先に乗ることはないなあ~と見ていたのに、こんなところにも想定外の良いことがありますね~!!

歩数と距離

しかし、鎮痛剤はよく効きますね~!よくなったのかと思って飲むのをやめたら、やっぱり痛い。医療関係者は鎮痛剤を飲んでいる人が多いと知りました。
卒業生が運動不足ですかね?と言った言葉が
気になったのでスマホの歩数計を見たら、確かに8月に歩数が減っていました(1月34922歩、2月54402歩、3月78288歩、4月63882歩、5月75361歩、6月61053歩、7月60457歩、8月46405歩、9月42924歩)。
夏休みで、仕事が休みということと、あまりの猛暑で熱中症にならないために冷房の部屋に入り浸っていたためでしょうか。9月が少ないのは、痛くて歩けなかったのと、スマホの計測は杖を突くと半分にしかカウントしないからのようです。これは出張中に同じところを歩いた偉い先生と、歩数計を比べたら私が半分しかないことに気づき、この結論になったわけです。車の運転は毎日平均50㎞なのに、毎日平均1000~2500歩は少なすぎますね。しかしながら、運動しすぎると原発巣、リンパの腫れがひどくなるのが分かるのです。無理はしないように適度に運動するというコントロールはなかなか難しいですね。痛いと無理はできない。結果的にエネルギーを小出しに使う。すると長生きになる。“一病息災とは”こういうことかと納得です。
そして体重コントロールはさらに難しくなる!

データ

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