微生物学者が乳がんになった時(Ⅲ:がれきの上にこいのぼり その3)

Ⅲ:がれきの上にこいのぼり<2015年12月~2016年12月>その3

インフルエンザB

ようやく冬を越えたかなと安心していた3月末から4月の始業式の頃に、孫たちと娘がインフルエンザBにかかりました。孫がかかった時に、私だけ、すぐに近医でイナビルの予防投薬していただきました。効きますね~!2回吸入するだけで10日間も血中濃度を維持できるとは大したものです。薬の威力に脱帽です。とにかく娘が動けなくなった姿を見て、予防投薬してよかったと思いました。インフルエンザAに比べると病原性や伝播性は低いと教えていたのがウソだったと後悔しました!インフルエンザAのような世界的大流行(パンデミー)にはならないかもしれないけど、病原性は強いものでした。上の孫は娘と病み上がりで中学校の入学式になんとか出席できましたが、遅く罹患した下の孫は始業式を欠席しました。

ワクチンが昨年からA型2種類とB型2種類になって、B型を1種類増やして高価になったのを不満に思っていたのですが、変更の必要性が分かった気がしました。さっそく今年もインフルエンザワクチンを打ちました。65歳以上だから補助があって1400円です。手厚い医療に感謝です。ちなみに9月、8680円を払って肺炎球菌ワクチンを接種しました。2009年の新型インフルエンザの時に、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌が混合感染するとインフルエンザが重篤化し、致死率があがると報告されました。もちろん口腔細菌の混合感染も重症化させるので口腔ケアも大切です。MRSAはもちろん、肺炎球菌(PRSP=penicillin resistant Streptococcus pneumoniae)も、インフルエンザ菌(BLNAR=β-lactamase negative ampicillin resistant)も多剤耐性菌が増えていますので治療が難しくなっています。MRSAとインフルエンザ菌はワクチンがないですが、肺炎球菌は成人用ワクチンがあるので、高価ですが接種しておくべきでしょう。

余談ですが、インフルエンザ菌は1892年のインフルエンザ流行時、パイフェルと北里柴三郎が病死したヒトの肺から細菌を分離し、これをインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)と命名しました。
この菌はインフルエンザの症状を増悪させると言われていましたが、このことが2009年の新型インフルエンザの時に証明されたわけです。
真の病原体のインフルエンザウイルスは1918年のスペイン風邪の後1933年に発見されました。ちなみにHibワクチンはインフルエンザ菌の抗原性がb型の菌に対するワクチンで、乳幼児の髄膜炎、喉頭蓋炎を予防するものです。

熊本地震等々

4月14日と16日未明、熊本から大分にかけて震度7の地震が起きました。娘の家でも揺れました。布団をかぶれ~!と大騒ぎしたのは私だけでした。

10月8日に阿蘇山が噴火しました。熊本地震と連動しているのでしょうか?そして10月21日には鳥取で震度6弱の地震が発生しました。さらに昨日11月6日午後8時頃行橋で震度3の地震がありました。北九州で地震とは!熊本は今でも地震が続いています。気丈な熊本の友人が気持ちを維持するのが難しいと言っていました。今年は全国的に地震が多い。東北でもまた地震が続いています。我が家から娘の家、飯塚にかけて西山断層帯があります。福津市沖にそれにつながる可能性のある断層が見つかったそうです。それがつながると全長80㎞にもおよぶ断層になるそうで、国内過去最大級のマグニチュード8クラスの地震が起きる危険性があるということです。警固断層だけでなく、こちらの方も要注意。つまり世界遺産に登録申請している辺り、大島から沖ノ島辺りです。海流が激しく遭難が多く危険な水域なのは海底の構造的問題なのでしょうか?この危険水域を通る大島から沖ノ島、韓国への航海術を熟知している宗像氏の技術や情報を中央政権が欲しくて、宗像氏が強大な勢力を持つことになったのでしょうか?実際、私の子供時代でも、遭難事故で近所の方が亡くなったと時々訃報が流れていました。沖ノ島の女人禁制<不言様:おいわずさま>は、危険な海域に次世代をつなぐ女性や子供は連れていかなかったのではないかという説もありますとの福津市役所の担当者の言葉に納得するものがあります。

とにかく、いつ死んでもいいと豪語している婆が、インフルエンザの予防投薬をし、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンを接種し、うがい、手洗いをして、布団をかぶって地震から身を守ろうとしている?!この姿は動物の生きるという本能なのでしょうか?!言行不一致に苦笑します。それでいながら、この日曜日に行われた福津市の防災訓練には参加しない、なんという自己中心主義の我儘!

脱毛から白髪へ

頭髪は抗がん剤治療を始めて1か月頃から脱毛し始め、1年経過した今年の3月頃から伸び始めました。それでも、しばらくカツラはつけていたのですが、この夏の猛暑でカツラの中が汗で蒸し風呂状態になって、8月になってカツラをつけない決心をしました。現職の時は髪を染めていたので、節約のために染めないことにしたら、白髪で、ちじれ毛で、柔らかくて、以前の針金のような髪(美容師さんの言)とは全く違った髪質になりました。

しかし、この白髪が意外と好評だったのです。もちろん、誰も私におかしいという人はいないでしょうが、私自身が気に入ったのです。退職して優しくなった顔が(友人の友人の言)、さらに明るくなる。洋服も明るいパステルカラーが似合う。じつに別人なのです。写真見ても、私がいないと思ったら、白髪の老人が私だったという感じです。それに洗ってもすぐ乾くし、処理が簡単。面白いことに、一般的に早くはげる額のところが最後までなかなかのびません。頭の部位の皮膚の性状との関係なのでしょうか?一つの毛根に髪が2、3本生えているそうです。髪が薄くなるというのは、その数が減っていくし、髪自体が細くなると教えてくれました。そういえば、間違いなく毛が薄い!寒くなったら頭も寒いと発見!と言ったら、美容師さんが純毛ですからねって。さらに雨が当たると冷たい!防寒具としてはカツラを、優しさを求める時は白髪です!先日、久しぶりにカツラかぶっていたら、あれっ?染めた?って。良いですね~、いまやかつらはファッション感覚だそうです。それにウィッグはアートネーチャーより聞こえが格好良い。まつげはまだ薄いから丁寧に描く。ニキビのような肌荒れを隠すために、丁寧にファンデーションを塗る。それにカツラをかぶるのに時間がかかる。現職時代には考えられないほど長時間鏡の前に座っています。歌舞伎役者のようです。

第一弾を読んだ友人が、あなたはがん患者だったんだね、と言いました。外見からはとてもがんを患っているようには見えないそうで、白髪もおしゃれまたは年金生活者の節約のためのイメージチェンジといえば、全く疑問に思わないらしく、本当に元気そうに見えるらしいのです。この時間をかけたお化粧が上手というわけではないと思います。自分が他人からどう見えているかなんて分かりませんね。長く慢性肝炎を患って亡くなった友人が死ぬ前に、外からは病人に見えず、きついと言うと怠けているように思われて辛かったと言っていたことがあります。がんも慢性疾患と言われる時代です、就労支援をするとき、外見だけでなく患者さんの話をよく聞いてあげてください。働きたいからきついとは言えないと思うのです。無理すると確実にがんは悪化します。だけど適度な緊張は免疫力アップになります。このバランスを探していきましょう、と話し合えたらいいですね。子育てと両立できる職場は、がんを含めて慢性疾患を有する方にもやさしい職場だと思うのです。

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