微生物学者が乳がんになった時(Ⅲ:がれきの上にこいのぼり その9)

Ⅲ:がれきの上にこいのぼり<2015年12月~2016年12月>その9

ポート挿入手術(12月21日&22日)

1年5か月の間、抗がん剤を前腕静脈に点滴していましたが、だんだん血管確保が難しくなってきましたので、抗がん剤を変える機会に合わせてポートを挿入することになりました。私も痛いけど、血管を探す看護師さんにも気の毒でした。ポートとは周辺機器の接続口のことで、たとえばUSBポートとは、USBの挿し込み口を意味します。100円玉くらいの差し口なので、ここから点滴の注射針をいれたら腕に注射する必要はないですし、カテーテルで大きな中心静脈に流し込むので、抗がん剤による血管へのダメージが少なくて済みますし、良いことばかりということでした。しかし、感染症の観点からはカテーテルという人工物は感染を起こしやすいので発熱には要注意です。それに胸の筋肉に力が入らないと寝ている状態から上半身を起こせないので、不便でびっくりしました。

手術は左胸にポートを入れて上代静脈につなぎました。術中セファゾリン(第一世代セフェム系抗菌薬)が使われましたが、術後3時間くらいに37.3℃になりました。それ以上には上がりませんでしたが、毎年の学生実習で鼻前庭のMRSAはなかったので、MRSA保菌者ではないだろうと安心していました。直近で、今年11月も看護学校で実習しましたのでその結果が役に立ちました!面白いことに、最近は糸で縫うのは内部だけで、表面はテープで止めるだけなので抜糸はないそうです。内部の糸は自然に吸収されていくそうです。感染が起きにくいのではないかと思いました。

手術は1時間で終わりました。外来で手術を受ける方もおられるそうですが、家も遠いし、
念のためということで1泊入院しました。娘を出産する時以来の入院でした。
つまり、約40年前。今は、食事は温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態でだしてくれるんですね。昔の冷たくておいしくない病院食のイメージとは全く違っていました。しかし、なんと、そのカロリーは約600kcal前後。毎日平均歩数が1000~2500なのに、いつも食べ過ぎているとエビデンスを突き付けられたようなショックを受けました。
案の定、久々の身長体重測定で、身長は1cmほどちぢみ、体重は2kg増えていました。最近、ズボンが長くなったなぁ~と気になっていたんですよね。
いずれにしても動きもしないのに、食べすぎ!

データ

データは、PDFでご覧いただけます。