皆さん、こんにちは。8回生の清水隆司です。
タイトルをみて、何故、男性の私がこんなことを記載するのか、と疑問に思う方もいるでしょう。タイトルの本は、大阪市立総合医療センター 小児集中治療部 赤嶺陽子医師の著書です。その本と出合ったきっかけは、毎日閲覧している、m3.com にて、「女性医師のキャリア形成 男性医師にできることは?」というタイトルの動画に目が行き、好奇心で視聴したことです。動画は5回に分けて構成されており、一個人の意見を述べるわけではなく、科学的に明らかな事象に基づいて説明されていました。日本のみならず海外でもジェンダー・バイアス(ステレオタイプ)はあり、それを明らかにしながら、女性医師に対して男性医師がどのように対応したらよいのかを、具体的に説明して、とても興味深く感じました。それとともに、私自身もジェンダー・バイアスにどっぷり嵌っていたのだと感じました。
興味のある方でm3.comの会員である方は、検索すれば、動画を見ることもできます。また、m3.comの会員でない方は、タイトルの本を購入して読んでみることをお勧めいたします。
私が男性医師に知ってもらいたいキーワードを下記に記しますので、頭の隅に入れていただければ幸いです。
1.インポスター現象
これは、高学歴で専門職の女性に多い現象で、知的劣等感を感じる「根拠のない自信」です。これにより、リーダーシップに意欲が持てず、インナー・バリアと呼ばれ、女性をリーダーシップから遠ざける一因と考えれています。
男性側は、女性は根拠のない自信のなさを持っているので、大事な仕事や役職を勧めても、一度は断るものだと理解する必要があります。「断る」=「やる気がない」と考えずに、インポスター現象だと考えて、何回か話し合いをして、勧める理由を丁寧に説明したほうがよいでしょう。
2.「できる女性は嫌われる」のは、科学的に証明されている
ジェンダー・バイアスにより、女性は「優しい」「温和」「癒し」「微笑みを絶やさない」と思い込んでいるために、能力があり生産性の高い女性に対して「攻撃的」「冷酷」と無意識に感じてしまうことが海外でも証明されています。
男性としては、女性に対してそのように感じた場合はジェンダー・バイアスのよるものかもしれないと、考えて、一度、その印象を点検してみる必要があります。
3.女王バチ症候群
ジェンダー・バイアスによる男性の固定観念に、自らを適応させすぎて、自分以上に頑張らない後輩女性を攻撃したり、男性に「なめられてはいけない」「バカにされてはいけない」と行動したりしている状態を指す。最近、女性に対して過激な発言を繰り返していた国会議員が更迭されたことで話題になったが、その人も女王バチ症候群の典型例であろう。男女問わずジェンダー・バイアスをよく理解し、リーダーシップ・ポジションに就いた女性を一人でも増やすことが必要であろう。
4.Implicit Bias(偏見と気づかない偏見、無意識な偏見)
ジェンダー・バイアスも、Implicit Biasのひとつ。自分が無意識な偏見を持っていないかどうか知りたい方は、Implicit Bias Test (IAT) https://implicit.harvard.edu/implicit/japan で確認してみてください。ただ、予想外の回答が表示される可能性が高いので、その覚悟をお持ちになってテストを受けられることを強く勧めます。ちなみに、私はその覚悟ができないので、まだ受けていません。
男性には「根拠のない自信」が認められる一方、女性に対しては「できる根拠を求めてしまう」のも、明らかなジェンダー・バイアスによるものだと、男性は知っておく必要があります。
私が、タイトルの本を読んで、「子持ち」女性と「子なし」女性が、「専業主婦」と仕事をしている女性がお互いに意見を戦わせること自体、ジェンダー・バイアスが大きく関係しているのかもしれないと思いました。
卒業して10年経ってからキャリア支援が大切と、動画では述べられています。根拠のない自信のなさを自分で真に受けて、自ら選択肢の幅を狭めないように、どうしたらよいのかを考えるための重要な資料になると思います。
参考文献:赤嶺陽子著.「女性医師の意欲とキャリアとリーダーシップ: 自分自身を乗り越えると、もっと楽しい」.メディカ出版.2020年.
清水隆司(8回生)
