アリス四季の集い・春 北九州(2013年5月28日)

アリス四季の集い・春 in 産業医大 開催報告

    • 日時:2013年5月28日 16:30~
    • 場所:産業医科大学 2号館 2階 2208教室
    • プログラム:
      1.「アリスの会について 」説明
      2.講演 「卒業生の外科医ライフ」
       産業医科大学 医学部 第二外科学 宗 知子 先生(10回生)
  • 参加者:62 名;アリスの会会員 14 名、学生会員 1 名、非会員 6 名、学生 41 名

平成 25 年5月28 日火曜日の16 時 30 分からアリスの会の「アリス四季の集い・春 in 産業医大」が開催されました。医学部1年生から 40 名もの参加があり、遠くは鹿児島か ら九州郵政健康管理センター鹿児島分室の河村先生も参加され、盛大に行われました。

開催に当たり、谷口先生よりご挨拶があり、小畑先生から学生に向け、「アリスの会」 設立の経緯を中心に説明がありました。その後、講師として本学第2外科の宗知子先生 (10 回生)にご登壇いただき「卒業生の外科医ライフ」と題して、臨床、研究、産業医、 留学の4つのポイントについて、ご自身の経験を交え、分かりやすく話していただきまし た。

臨床については、外科専門医からサブスペシャリテリーを得て、肺がんを中心に拡大手 術から低侵襲手術までを手がけ、「臨床に役立つ研究を」、「各患者ごとに最適な医療を目 指し」、「治療をあきらめない(最後の砦)」をモットーに取り組んでいるということで、 宗先生の熱い思いが伝わってきました。

研究については、大学院での研究をさらに進展させようと、自ら動いてみごと奨学金を 得てベルギーで腫瘍免疫の大家のもと研究を行うことができたとのことでした。悪性黒色 腫に対するワクチン療法を中心とした研究活動についてヨーロッパのきれいな風景写真も 交えご説明いただきました。1年生には、研究内容は少し難しかったかもしれませんが、 最先端での研究への興味を抱いたのではないでしょうか。

産業医については、留学前後に所属した福岡労働衛生研究所での健康診断や嘱託産業医 の経験についてお話しいただきました。産業医の経験を通して、主治医と労働者、職場、 それぞれの立場を理解できるようになり、良い経験をしたとのお話はとても印象的でした。

第2外科は現在4名の女性医師がおり、「結婚して子供がいても外科をやって行けるようにシステムと環境を整えている」と田中文啓教授が話しているとのことでした。ご講演の後に、具体的に何をしているのか質問させていただきましたが、当直を免除したり、女 性医師が着替える場所を確保するよう、まず、科内でできることからやっていく、という 回答を頂きました。

宗先生のお話をお聞きしている間、昨年度ベストセラーであった「置かれた場所で咲きなさい:渡辺和子著、幻冬舎」を思い出していました。どこで何をしていようと、常に前向きにとらえている姿勢がとても輝いて見えました。

アリス四季の集い・春 in 産業医大

集合写真

講演の後は、意見交換会の時間を設け、教員や修練医と学生との間でいろいろな質問が 行われたようです。結婚のタイミング、地元に戻れるか、といった率直な質問や、産業医 は何をするのかなどの素朴な質問・疑問が多く聞かれました。学生と気軽に話す時間とし て、このような会を利用することも大切だと考えます。

意見交換会の後は、河野学長のご厚意で、学長室で懇親会が開かれました。私は、予定が入ってしまい、残念ながら参加できなかったのですが、学生も含め 20 名以上集まり、様々な意見交換が行われたようです。

ご講演いただいた宗先生

ご講演いただいた宗先生

なお、余談ですが、女性医師の更衣場所については、本学の男女共同参画推進センター によるアンケート調査において、他の部署からも問題点としてあがっており、2号館にス ペースを確保する、大学の建てかえに合わせて部屋を確保する等を男女共同参画推進セン ターとして提言しようということになっています。いずれ解決の方向になることを期待し ています。男女共同参画推進センターの委員にはアリスの会の会員では、私以外に谷口先 生と川波先生も入っています。「アリスの会」からの意見も、男女共同参画推進センター の活動に反映できればと思っております。多くのご意見を頂けましたら幸いです。

健康開発科学 准教授 太田雅規(12 回生)