アリス四季の集い・春 北九州(2011年4月23日)

アリス四季の集い・春 北九州 開催報

  • 日 時 :平成 23年 4月 23日(土) 14:00~17:00
  • 場 所 :産業医科大学 産業医実務研修センター 305 号室
  • プログラム:
    • 講演1 「卒業生のために何ができるか?-研究の視点からー」
      講師 河野 公俊 先生(産業医科大学学長)
    • 講演2 「放射線被曝について」
      講師 大栗 隆行 先生(産業医科大学放射線科学教室 学内講師)
  • 参加者:32名(うち学生支援プログラムより学生10名)

アリス四季の集い・春 北九州(2011年4月23日)今回の集いは、新学長をお招きしてのご講演と、福 島第一原子力発電所の事故を受けてのご講演の2本 立てとしました。

まず、河野学長からは、これまでの経歴について写 真を交えながら話して頂き、実は北九州と非常に縁が 深いということ、留学での経験などを導入に、サイエ ンスを突き詰めていきたいとの思いを話されました。

その後、産業医科大学には単に医学部の教授として就任したつもりだったが、大学院生を指導する過程などの経験から産業保健の重要性に気がついたこと、卒業生のキャリアアップとしての学位取得の重要性、専門職大学院でMaster を取得するよりもDoctor を取得する方がよいのではとの率直なご意見を頂きました。そのためのプロジェクトとして、現在ある大学の研究費(産業医学・産業保健重点研究や産業医科大学高度研究)を個人の単独の研究中心では なく、学内教員と卒業生産業医との連携がある研究や医学部と研究所など組織間の共同研究を優先的に採択していくこと、学位取得に向けた東京でのサテライト講義、産業医の経 験と教員の研究テーマとのマッチング、研究立案から論文作成などの、「産業医となって もサイエンスができるシステム」を構築していきたいというお考えを示されました。

最後に、河野先生の研究テーマとして、Healthy clock, healthy body, healthy mind, and healthy life という大きなテーマについて、clock 遺伝子に触れながら話して頂きました。

次に大栗先生からは、現在福島第一原発で大きな課題となっている放射線被曝について、 基礎的な話から、作業管理の側面、本学卒業生の中野先生が3 月末に福島第一原発に支援 に行ったときの話など、とても興味深い話をして頂き ました。

アリス四季の集い・春 北九州(2011年4月23日)基礎的な話も、図を用いてわかりやすく、放射線種 の違いや健康障害など学生時代以来の知識のブラッシ ュアップに役立つものでした。

放射線作業管理の側面では、「放射線は正しく怖がりましょう」との説明があり、マスコミ等の情報に惑 わされず、正しい知識を持って取り組むべきであることがよくわかりました。

福島第一原発での卒業生の活動の話も、現場の様子が良く伝わりました。睡眠も段ボー ルに毛布という状態で休めない雰囲気があり、ヒューマンエラーが心配である等、産業医 学的視点の重要性を強調されていました。

ご講演の後は、会場にお茶とお菓子に用意し、懇親会で参加者同士が親睦を深めました。 学生支援プログラムより参加の一年生も卒業生と言葉を交わし、少し将来のイメーを掴んでくれたことと思います。
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