アリス四季の集い・秋 北九州(2017年11月15日)

アリス四季の集い・秋 北九州 開催報告

  • 日時:2017年11月15日18:00~20:00
  • 場所:産業医科大学 産業医実務研修センター
  • プログラム:講演「エコチル調査・樹脂曝露調査の紹介 ~女性研究者としての過去・未来~」
    産業医科大学産業衛生学 准教授 辻真弓先生
  • 参加者:12名

 

2017年11月15日(水)、アリス四季の集い・秋北九州を開催しました。ここ数年間は、会員を対象とした集いでなく、大学学生課からの依頼で医学部1年生向けに「アリスの会」を開催し、会員の先生方に来学頂いてご講演頂いたり、学生に将来のキャリアについてグループ討議をしてもらうような催しを共催しておりました。
しかし、今回は久しぶりにアリスの会単独での“集い”です。参加者は、常連会員に加え、新たに会員になって下さった大学教員や修練医、医学部1年生、3年生など、全部で12人。こぢんまりとした会ではありましたが、終始アットホームで和やかな雰囲気でした。

講師の辻真弓准教授

講師の辻真弓准教授

お招きした講師は、産業医大産業衛生学准教授の辻真弓先生です。辻先生は鹿児島大学医学部ご卒業でいらっしゃいますが、産業医大に教員として赴任された際、エディス谷口先生のお声掛けもあり、特別会員としてアリスのメンバーとなって下さっています。研究、教育、子育てに大忙しの先生ですが、娘さんと一緒にアイドルのコンサートに行ったりと毎日を楽しむことにも手を抜かない、とてもエネルギッシュな先生です。

ご講演は、まずご自身のこれまでのキャリアをいくつかの“人生の転機”ごとにお話になりました。何と言っても皆が驚いたのが、先生の留学にまつわるエピソードでした。研究志向が強かった先生は、留学したいという強い思いを持っておられました。しかし、海外に興味が無く保守的、かつ多忙なDrのご主人との結婚、アレルギー疾患を抱えるお子さんのケア。いくつも立ちはだかるハードル。それでも決してあきらめず、ご主人への教育?を続ける傍ら、お子さんをインターナショナル幼稚園に入れ、子連れでもやっていける留学先の入念なリサーチなど、あきらめずに夢に向かって計画を進め、ついにご主人の理解も得て、お子さんを連れて単身留学を果たされました。実現に5年かけた苦労の甲斐あり、米国西海岸でお子さんと過ごされた留学生活は充実した楽しくかけがえのないものだったようです。

講演後の質疑応答の様子

講演後の質疑応答の様子

帰国後も現在に至るまで、研究者としてのキャリアを重ねられています。お子さんのアレルギーを出発点としたアレルギーに関する研究が今もメインテーマで、環境省が実施する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の長期大規模調査や、労働者の樹脂等による化学物質アレルギーといった新しい課題にも精力的に取り組んでおられます。
ご講演後の質疑応答では、「自分も留学を考えている」という若い先生からの質問もあり、参加者に多くのインパクトを与えて下さったご講演でした。

人と、美味しいものと、楽しく交流する時間です

人と、美味しいものと、楽しく交流する時間です

講演後の親睦会では、学生さん達もようやく緊張がほぐれたように笑顔で話題に加わり、辻先生と、美味しいお料理を囲み、楽しいひと時を過ごしました。
会の企画や準備、料理の手配、会場案内など当日まできめ細やかに運営をつかさどって下さった永田昌子先生、安村さん、大変お世話になりました。