アリス四季の集い・秋 東京(2013年11月2日)

アリスの会四季の集い・秋(東京)開催報告

  • 日時:2013 年 11 月 2 日 10:00~13:00
  • 場所:女性就業支援センター
  • プログラム:
    • 講演1「産業医大の明日について考える ― 夢への挑戦 ― 」
      産業医科大学 医学部 分子生物学教授 岩井佳子先生
    • 講演2「新規休業者数、休業日数、再発率を改善する包括的な人事産業保健 連携型メンタルヘルス対策 ― 日産自動車株式会社」
      日産自動車株式会社 産業医 宋裕姫先生(14 期生)
      日産自動車株式会社 人事本部 安全健康管理室 栗林正巳様
  • 参加者:22 名

平成 25 年度のアリスの会 四季の集い・東京が、11 月 2 日に女性就業支援センターで開 催されました。谷口初美教授と岩井佳子教授には、とてもお忙しい中、北九州からご参加 いただき、総勢 22 名と賑やかな会となりました。

まず、2013 年 4 月に産業医科大学 分子生物学の教授に着任された岩井佳子先生に、自 己紹介も兼ねてご講演いただきました。岩井先生は、これまで、抗がん剤に関する研究を されており、「がん細胞は PD-1 を介してリンパ球の力を弱める」ということを発見され、 PD-1 阻害剤(Nivolumab)の開発に携わってこられた偉大な先生です。その先生から、産 業医科大学の良さもお話いただき、いつも出身大学に劣等感を持っていた私にとっては、 とてもうれしく、なんだか心が軽くなりました。

もうすでに素晴らしい偉業を成し遂げられている岩井先生ですが、更に今後の夢として、 実用的なワクチンを開発することや、次世代の研究者を育てること等があるそうです。先 生のお話を聞いて、私も夢や目標に向かって 1 歩 1 歩進んでいこうと思いました。

次に、メンタルにおける新規休業者数・休業日数・再発率のどれも改善しているという夢のような会社について、そのメンタルヘルス対策の秘訣を学ぶべく、日産自動車の産業医である宋裕姫先生と、人事本部 安全健康管理室の栗林正巳様に、ご講演いただきました。精神科がご専門である宋先生のお力により、メンタルヘルス対策が進んでいることは言うまでもありませんが、「人事がイニシアティブをとってくれる」という宋先生のお言葉 どおり、今回お越し頂いた人事本部 安全健康管理室 の栗林様のお話には、感動の連続で した。栗林様は、長年エンジニアをされており、2005 年から初めて人事に関する業務に携 わるようになったそうですが、それまでの「なんとなくやっていたメンタルヘルス対策」 を見直し、EAP を効果的に導入したり、ストレスチェックに組織分析用オリジナル設問 43 問を設けて、その組織分析結果で課題がありそうな部署に職場懇談会を実施して管理職と 一般社員の双方の声を把握したうえで職場改善をおこなっていく等の一次二次予防の仕組 みを次々と確立されました。また、メンタル不調者の職場復帰の際も、休務中から人事が きちんと対応し、リワーク等の実施を就業規則に盛り込むことで、十分な体調回復を確認 したうえで復職することが可能になっていました。「栗林様のような方が、私の勤務する会 社にもいたらいいのに…」と思わずにはいられませんでしたが、メンタルヘルス対策には、 人事と医療職の連携が大切であることを改めて痛感するお話でした。

最後に、おしゃれなイタリアンで懇親会をおこないました。美味しい食事を楽しみなが ら、似たような悩みを抱える者同士、いろんな意見交換ができたと思います。

次年度のアリスの会の集いにも、是非皆様お誘いあわせの上ご参加ください。