アリス四季の集い・秋 東京(2011年11月5日)

アリス四季の集い・秋 東京 開催報告

  • 「産業医大東京事務所に行ってみよう! 新学長に会ってみよう!」
  • 日時 : 平成 23 年 11 月 5 日(土) 10:45~12:00
  • 場所 : 産業医科大学東京事務所
  • プログラム:
    • 産業医科大学東京事務所の紹介
      東京事務所 榎田 智子 様
    • 講演「がん治療の基礎研究から産業医学研究へ」
      河野 公俊 先生(産業医科大学学長)
  • 参 加 者:16名

今回の集いは、産業医科大学東京事務所の会議室をお借りし開催しました。

もっと我々に近い存在のはずの東京事務所、立地も良好な場所なのに、卒業生の中でも認知が低いこと判明・・・というわけで、今回の開催にあたり、まずは東京事務所の榎田様から産業医科大学東京事 務所の紹介を頂きました。卒業生の声をうけ、会議室の貸出、備品や図書の貸出しも行っていること、 また我々からのリクエストにも応じて頂く準備があることも伺いましたが、このようなサービスを初めて耳にした参加者も多かったようです。例えば勉強会をしようという時等にも、都内のレンタル会議室 を借りたりしていましたが、これからは助けを求められる相手として、東京事務所を思い出すことが出 来そうです。

アリス四季の集い・秋 東京(2011年11月5日)続けて、本年4月より学長に就任された河野公俊先生からご講演を頂きました。治療技術が進み、高齢者や小児のがん生存率が改善する中、就労年齢層のがん治療の成績は改善していないというデータを 示して頂きました。就労年齢層は、仕事を持ちながらの治療であり臨床治験が進んでいないとのこと。 がん研究は進歩するものの新しい概念が追加され、がんの本質はまだまだ未知であることも 教示頂きました。

また、最近の分子生物学分野における実験手 法や新しい知見についても触れていただきました。大学の講義以来、久々に耳にする用語に 懐かしさを覚えるとともに、現場で産業医業務 を行った上で聞く分子生物学の知識は、非常に 新鮮に頭に響きました。その中でも、産業保健 現場で我々が健康管理をする対象に多い深夜 業務に従事する社員の健康管理上のリスクについて、clock 遺伝子に関する知見をもとに教授頂きました。 長時間残業者への面談等で、規則正しい生活の重要性や睡眠時間の確保等を常日頃より指導していますが、その指導が分子生物学的にも重要な事であると改めて理解することが出来ました。分子生物学と産 業保健との接点は、当然ながら非常に多く、 産業医科大学の基礎研究であればこそ出来る視点での研究が、今後さらに発展していく ことが必要だと再認識した時間となりました。河野学長の、”Healthy clock, Healthy body, Healthy mind and Healthy life”と いう言葉は、まさに産業保健現場で我々が労 働者に展開すべき内容でしょう。

アリス四季の集い・秋 東京(2011年11月5日)また、最後に「産業医科大学の DNA とセン トラルドグマ」という 1 枚のスライドを提示 頂き、「卒業生のリソースで実務で得られた情報をサイエンスにする」事の重要性を示していただきました。一人の卒業生では限られたパワーでも、 同じ目標に向かって機能すべき卒業生が集結し、それぞれの専門分野での知見を集約することで、労働 者に大きなメリットをもたらす研究成果が発表できる可能性もあるのではないかと感じました。

その後の質疑応答も活発に行われました。学長というお立場の先生へ、現場で実業務に追われる卒業生がいかにアカデミックな研究に携わる事が出来るか、そのような場作りへの要望が多く聞かれました。長年、産業医大で研究をしておられた河野学長ならではの視点で、今後現場の卒業生と大学の連携が強化されることに期待大です。

アリス四季の集い・秋 東京(2011年11月5日)その後、場を移し、赤坂サカスのお洒落なレストランで懇親会を行いました。子供達も参加し和やかな雰囲気の中、日々の鬱憤晴らし(笑)もしつつ、会話に花が咲きました。

河野学長、谷口教授には大変お忙しい中、休日にも関わらず東京までご足労頂き、我々卒業生のために時間を割いて頂きました事に深く感謝致します。

また、快く会場を提供して下さり、開催にご助力下さった産業医科大学東京事務所ならびに産業医学 振興財団にも深く御礼申し上げます。