微生物学者が乳がんになった時(Ⅲ:がれきの上にこいのぼり その2)

Ⅲ:がれきの上にこいのぼり<2015年12月~2016年12月>その2

アバスチン&パクリタキセル(Ava & 0.75Pac)の検査結果

昨年8月からアバスチン&パクリタキセル(Ava&Pac)治療に変わりましたが、腎臓、肝臓、白血球、好中球の値に異常はありませんでした。2016年2月からは副作用を抑えるためにパクリタキセルの量を75%に減らして、1年間、Ava&0.75Pac治療になりました。この6クール目頃から総タンパク、アルブミンが低値(青字)になることが多くなりましたので、減量の理由はこれだったのだと思いました。

栄養の吸収が悪くなっているのでしょうか?便秘や下痢を繰り返して、腸内細菌叢の機能が破たんしている可能性はあります。(表1:黒字が正常範囲、青字は下限値以下、赤字は上限値以上)。腸管免疫を活性化するために三度の食事は必ず口から摂るように言われたので、充分気を付けて食べているのにおかしいなあ~と思って、どういうことでしょうか?と聞いたら、「若干腸からの栄養の吸収が悪くなっていますかね、肉を食べるようにしなさい」とのこと。しかし、家族みんなで良い肉を食べる経済的余裕はないし、私一人外食すると塩分は高いし、太るし、この調節が意外になかなか難しい。なぜなら腎臓のために塩分は控えなさいとのことです。肝臓はFEC治療の時に赤字が多いですが、アバスチン&パクリタキセルになって異常なしです。しかし、11クール頃から肝臓のγGTPが、追ってLDHが上昇することが多くなりました。ALPが高値になったら、骨転移の可能性を強く示唆するそうです。

11月9日に尿たんぱくが3+でした。抗がん剤の副作用ということでしたが、腎機能に異常がないので問題ないとのことでした。疲れでもタンパクがでることがあるそうです。前日、徹夜に近い状態でコンピューター作業したのが影響しますかね?

腫瘍マーカーのCA15-3も10月12日に11.1で正常値でした。エコーの結果では5月の11クール辺りから、リンパがやや増大傾向ということで、10月のCT、エコーでも原発巣とリンパがやや増大ということでした。しかし、リンパは、大きくなっている理由ががんか炎症かわからないので評価材料にしないそうです。いずれにせよ、血管が固くなってきたから、年末にポートをいれましょうということでした。2年も点滴してきましたから血管が固くなって、17クールに入って血管確保が難しくなりました。抗がん剤は毒なので、点滴の時に漏れると漏れたところがただれて壊死を起こして大変なことになるからと、看護師さんがとても慎重に点滴の注射針の確認をしてくださいます。出血防止のためにポートの手術前後4週間、計8週間はアバスチンをやめるそうです。それを機に薬を変えるようです。年末の大掃除手伝いたくないから、1泊入院させてくださいと不埒なことをお願いしました。どこまでもマイペース!

副作用

アバスチン&パクリタキセル治療でもうわさに聞いていたような激しい副作用はないのですが、あえて詳しく書きます。
便秘傾向がある時には、アローゼンかマグミットを服用します。これは1錠で効きすぎて下痢が止まらなくなります。でも24時間くらいで落ち着くことを経験で知りましたので、24時間家にいる時にしか飲まないことにしています。

血圧は、朝起床時、180と100と高くなってきましたので(図3)、夜アムロジピンを1錠追加で飲んでいます。降圧剤を飲むと120と80くらいに落ち着きます。
2年目に入って、手足のしびれがひどくなってきたのでリリカ75mgを2錠飲み始めました。これは眠くなるので、運転などに支障をきたす恐れがあるので、夜だけ飲むことにしました。それでも脳みそが腐っているんじゃないかと思うほど眠れます。睡眠不足の人生を一気に取り戻している感じです。人生、最期に帳尻が合うようになっているのですね。リリカは夜だけ、メコパラミン錠0.5mg(ビタミンB12)と八味地黄丸は朝、昼、夜に飲んでいます。完全によくなるわけではないですが、飲まないより飲んだほうが良いようです。看護師さんが、足のジンジンは砂の上を歩むようという表現をされました。うまい表現だと思いました。野球から帰ってきた孫たちのために家中が砂だらけなのかと思っていましたが、掃除をしても変わらないので私の問題とわかる次第です。ひどくなるとコンピューターのキーボードが打てなくなるとか、ボタンが止められなくなるとか、歩けなくなるとかあるそうですが、私の場合そこまではありませんでした。でも足が弱ってきていることは確かです。ただ、脊椎管狭窄症のために、歩かなくなっているため、足腰が弱っている可能性もあります。

爪は縦にも横にも線が入っています。はがれそうにめくれてるので、爪が何層にもなっています。そのため、ちょっとしたところに引っかかるのです。健康な時は、きれいな一層なのです。Dr.Nailと、ヒルドイドソフト軟膏・リンデロンVクリームを塗って落ち着いています。指紋がないので、講義の時に出席票を配る時ちょっと困ります。つばをつけると学生さんが嫌そうな顔するので、看護の学生さんなので、抗がん剤の副作用と積極的に説明するようにしています。ちなみに、私自身の表や図のデータは感染防御免疫の教材に使っています。

浮腫はだんだん激しくなっています。15クール辺りから点滴翌日から浮腫がひどくなっています。1時間椅子に座ると象の足です。これも寝ると改善します。太っているのか浮腫なのか区別がつきにくいですが、抗がん剤治療後にひどくなり、休薬すると落ち着くのでやはり抗がん剤の副作用だと思います。しかしリリカも浮腫むのですね。長くなるにつれて浮腫みがひどくなっているのはこの薬のせいもあるかもしれません。「浮腫ると血中が脱水状態になるので、心臓には気を付けてください」と卒業生に言われました。抗がん剤治療中の患者さんで狭心症の既往がなかったのに心筋梗塞でとつぜん亡くなられたそうです。そういえば私も11クールの3回目の治療中に心臓が痛くなり、脈が飛んで大騒ぎになったことを思い出しました。

すぐに脈を診てくれた看護師さんは脈の異常をとらえてくれましたが、心電図を運び込んでいる間に落ち着いてしまって、念のために循環器科で心エコー、レントゲン、心電図を撮って異常なし、1年前の冠動脈CTでも異常なしだったので、再度起きたらもう一度撮りましょうということで終わりました。

産衛学会に参加してアリスの会の皆さんにお会いし、南相馬に行って、帰りの飛行機が羽田でのトラブルで飛ばず、品川に移動したけど新幹線にも乗れず、急きょ東京の友人宅に泊まり、さらに翌週は親戚の通夜・告別式に出席し、ただ疲れていただけなのかな~と反省しています。

心電図を測っている時、ニキビですか?と聞かれて、66歳の婆にニキビ?!と思いましたが、確かに10クールあたりから、額とあごの下あたりに中学生の男の子のような吹き出物がたくさんできて、肌荒れがひどいのです。ホルモンバランスが崩れての肌荒れだそうで、たしかにニキビのような吹き出物です。

味覚は変です。同居を始めた頃、孫がこの料理はお母さんじゃないよねと言いました。私の味覚がおかしいのか、料理が下手なだけなのか、いずれにしろこれ幸いと料理はしないことに決めました。その代わり茶碗洗いはします。

たまに胃痛があります。現職時、尿素呼気試験で陽性だったので症状が出たら来てくださいと言われたのですが、さほどの症状がなかったのでピロリ菌を駆除する機会を失したのですが、どのタイミングで駆除すればよかったのでしょうかね?

しかし、体重は±2kgで減りません。乳がんや子宮がんで太ったという話を聞きます。見た目太っていると安心する方が多いですが、抗がん剤の副作用で太るということがあるのですね。体重はどうですか?と聞かれて、やせることばかり気をつけていたのですが、太りすぎという副作用があることを知りました。いずれにしても、FEC75の治療中は白血球、好中球はGラスタのおかげで維持できましたが、いま振り返ってみると夜間外来に行ったり、歯医者に飛び込んだりと色々トラブルがありました。それに比べ、アバスチン&パクリタキセルの治療中は白血球、好中球は低空飛行でしたが、救急で病院のお世話になることはありませんでした。アバスチン&パクリタキセルは私には合っていたのでしょうか?

他に口角が切れる、ティッシュに鼻血がつく等々ありますが、これらを全部受診すると、歯科、外科、腫瘍内科、呼吸器科、循環器科、整形外科、消化器内科、皮膚科、そのうち精神科が必要になるのでしょうか。年寄りのがんはなかなか死ねないから、心臓だったら早いですねと言ったら心臓でもそう簡単には死ねませんとのこと。
日本の高度な医療とそれを受診できる環境に乾杯!

データ

データは、PDFでご覧いただけます。

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